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プリンス×プリンセス

第68章 それぞれの休暇

柄にもない考えに、苦笑いしか浮かばない。

テラスに肘を付いて外を眺めていると、後ろからカムリの声がした。

「テリオス様!?こんな所に!」

意外な場所にいたからだろうけど。

「こんな所に…その続きは?」

意地悪く笑って見せると、カムリは慌てて両手を顔の前で振ってみせた。

「今起こしに向かおうと思っていたんですよ!?」

悪気なんか一切ないのは分かってるし、カムリがそういう奴だって知ってるけど。

「いつまでも寝てないっての!」

コツンと頭を小突くと、カムリは頭を押さえてへへっと笑った。

俺にとっては休暇でも、カムリにとっては仕事の一部なのかと思うと、何だか申し訳なくなる。

だけどこうやって笑ってくれると、少しだけ罪悪感が和らぐんだ。

「今起こしに来るって、遅すぎだぞ?」

笑いながら言ったのに、カムリははっと息を飲んで頭を下げた。

「あ…すみません!」

その行動に、俺の方が慌ててしまう。

「別に、怒ってるつもりじゃないからな?」

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