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プリンス×プリンセス

第68章 それぞれの休暇

カムリは顔をクシャッと崩すように笑うと、コホンと小さな咳払いをして

「今日の予定の打ち合わせが、今朝方にありまして」

「え?今日ってどっか行くのか?」

そんな話、聞いてないけど?

用がないなら、姉上との約束通り、湖のほとりでピクニックでもいいな、なんて考えてたのに。

口を尖らせて不満をあらわにしていると

「あ…それなんですけど」

そう前置きをして、カムリは俺をじっと見つめる。

「テリオス様は、馬はお好きですか?」

は?

「馬!?」

何を突然聞いてきたんだ!?

でもこの流れって…馬が今日の予定に関わってくるって事か?

どう答えよう?

一瞬考えて…

変な駆け引きするのもどうかと思い、正直に答えた。

「好き…かな?エストラーザにいた時は、よく遠乗りに出掛けたりしたけど?」

するとカムリはがっくりと肩を落とした。

「やっぱり…そうですよねぇ」

「何だよ!?」

何でそんなに落ち込むんだよ!?

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