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プリンス×プリンセス

第68章 それぞれの休暇

カムリはゆっくりと顔を上げた。

「グレイス様より、本日は乗馬を楽しまれてはどうかとお誘いがありまして」

「へぇ…いいね」

何気なく答えたら、途端にカムリは眉を下げた。

え!?

「何でそんな顔してるんだ?」

「え!?あ!」

俺の指摘に、慌てて手で顔を隠した。

かなりバツの悪そうな雰囲気だけど…何でだ?

そのままカムリを見続けていれば、観念したように、ため息が聞こえた。

「はぁ…実は、馬に乗ったことがないので…」

「ははっ。そうなんだ」

何だ。そんな事か。

そりゃあこれだけ車や飛行機が発展してるんだ。

昔ならいざ知らず、今や馬に乗るなんて、競技か道楽でしかない。

「そうだ!この際だから練習してみるか?」

するとカムリは一瞬の間のあと、大急ぎで首と手を横に降った。

「え?いえいえ!ルークスさんもデュアリスさんもお得意ですから!」

そんな中で足手まといになりたくないのか?

必死ともとれる勢いで辞退するカムリに、何だか笑ってしまった。

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