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プリンス×プリンセス

第68章 それぞれの休暇

視線だけディオに向ける。

ディオは傍らのルークスに話しかけていた。

「ならばそれで頼む」

「かしこまりました。それでしたら…ティアナ様にはカムリを」

ルークスに言われて、カムリの肩に力が入ったのが見ていても分かった。

いくらグレイスの従者がよくしてくれるとしても、誰かには付いていてもらわないと。

そういう意味では、馬に乗れないカムリはうってつけだって事か。

「そう…。カムリ、よろしくお願いします」

「いえ!そんな!勿体ないお話です!」

カムリの慌てぶりに一瞬あっけに取られて…

次の瞬間には笑いが込み上げてきた。

何だよ、それ。

「テ…テリオス様!?」

「悪い。…それにしても…くくっ」

笑いがなかなか収まらない俺に、カムリは顔を赤くしているばかりで…

「それくらいにしておけ」

ディオの声に、口元を押さえたままディオを見れば

「お前たちが仲がいいのは分かった」

…何でそんな、あきれたような声なんだよ!?

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