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プリンス×プリンセス

第10章 下準備

肥料の袋を開けたカムリが一瞬顔を歪めた。

そんな様子に笑ってしまうと、カムリが苦笑いを浮かべ

「薔薇の肥料が牛糞だとは知りませんでした」

「化学肥料でもいいんだけどさ、根が痛むかもしれないからこっちの方がいいんだ」

「さすが。慣れていらっしゃいますね」

「ちょっと臭うけどな」

肥料をすべての穴に撒き、上から土をかけて、やっと下準備が終わった。

「じゃあ、植えていくか」

カムリに苗木を押さえてもらって、俺が土を被せていく。

何本か植えていくうちにカムリもコツをつかんだのか、土を被せやすいように動いてくれて、思っていたより早く終わった。

「あとは水撒きな」

被せた土が泥のようになるほどたっぷりと水を撒く。

その様子を見ているうちに、カムリは道具などを片付けてくれていた。

「カムリ、ありがとな」

「いいえ。礼など不要なんですよ?」

眉を下げて咎めるカムリに笑いかける。

「それでも、ちゃんと言いたいんだ」

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