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プリンス×プリンセス

第10章 下準備

カムリはくすぐったそうに笑うと、質問を投げ掛けてきた。

「テリオス様はどうしてそんなに薔薇がお好きなんですか?」

「んー…手間が掛かるから?」

俺の答えに、カムリはピンとこなかったみたいだ。

「虫もつきやすいし、世話もまめにしないと上手く育たないんだけど、手をかけた分、成果が見えるからかな」

「はぁ…なるほど」

「手のかかる子ほど可愛いってやつだよ」

俺の例えに、カムリはクスクスと笑った。

「何だよ」

唇を曲げてカムリを見ると

「精が出るものだな」

急に声をかけられて、驚いて周りを見回す。

この声は…イヤミ王子だ!!

奴の姿を見つけると、どういう訳だか庭を一人で歩いていた。

今まで庭でなんか見かけた事が無かったのに、何だってこんな時に現れるんだよ!!

朝、姉上にからかわれた事を思い出して、知らず知らずのうちに険しい顔つきになっていた。

俺に睨まれてる事に気付いているのか、薔薇の葉っぱを指先で弾くと

「土いじりはそんなに楽しいか?」

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