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プリンス×プリンセス

第70章 ピクニック

シルフィが私の真意に気付いているのかどうかは分からない。

でも、マックスを膝に乗せて、皆で円になって食べるランチはとても美味しかった。

マックスもほぼ完食してくれて、満足しきっている様子で…

「このままお昼寝できそうね」

「気持ちは分かりますが、眠るのならば戻りましょう」

「分かっているわ。冗談よ」

眉を吊り上げたシルフィに、笑いをこぼしながら答える。

冗談よ。冗談に決まってるじゃない?

いくら旅行中でも節度と常識は大事だものね。

それでも、ぽかぽか日差しの上に、とても気持ちのいい風が吹いていて。

普段とは違う情景に、気持ちが緩んでるのは事実だわ。

昔…エストラーザにいた頃。

テリオスとよく果樹園へ遊びに行った。

あの時は草原にそのまま寝転んで、空の高さと果樹の花を愛でたものだった。

そのまま寝てしまって、おじちゃんに怒られたりもしたけど…

その事を思い返して、笑みがこぼれる。

今でも元気にしているのかしら…?

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