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プリンス×プリンセス

第70章 ピクニック

「ありがとうございま…ああっ!?」

ボールを拾い上げた人物を確認したカムリが驚きの声をあげた。

その人物は少しだけ首を傾けてカムリを見る。

その動きに合わせて、薄茶色の前髪がふわりと揺れた。

「はい、どーぞ」

「あ…ありがとうございます…」

差し出されたボールを、カムリは急いで受け取っている。

あれは…ユーノスくん?

遠目にも彼の明るい髪の色はよく分かる。

それに…

彼の後ろにいる、長い銀髪の女性は…

「にぃーにぃ」

カムリと一緒に近付いてくる人達に気付いたマックスが、嬉しそうに呼び掛けた。

その声にユーノスくんは破顔すると

「お。坊っちゃんはご機嫌だな」

そう言いながらマックスの目の高さに合うように屈むと、ニッコリ微笑んだ。

本当に子供が好きなんだわ。

彼の様子に、ほんわかとした温かい気持ちになる。

「こんにちわ。あなたにもらったぬいぐるみ、とても気に入っているの」

話しかければ、ユーノスくんは照れたように目を細めた。

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