テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第70章 ピクニック

「それにしても…てっきり乗馬に行かれたかと思っていました」

「あ…。せっかく手配して下さったのに、申し訳ありません」

怒られた訳じゃないのに、咎められている気がして…つい謝罪してしまうと

「いいえ。構いません」

グレイス王女は首を横に振り

「楽しんでおられる様で、なによりだわ」

そう言って口元にうっすらと笑みを浮かべた。

「お気遣い、ありがとうございます」

そう言って会釈したものの…

グレイス王女の表情に、どこか既視感を覚えた。

彼女の微笑み。

表情の作り方が、ディオによく似て見える。

そう言えば、テリオスが言っていたわ。

彼女はディオをリスペクトしている、って。

尊敬する気持ちが崇拝に変わり…立ち振舞いさえ似ていったのかしら…?

「グレイス王女は乗馬はお好きなのですか?」

「ええ。今日もご一緒したかったのですが…」

「あ。何かご予定が?」

元々、私達と約束をしていた訳ではない。

グレイス王女にも公務があるのだろう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ