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プリンス×プリンセス

第71章 王女の悩み

すると、何を思い出したのか…グレイス王女は眉を寄せ

「そんな条件付きなのに…未だに第一婚約者なのはどういうことなのでしょうね」

苦々しい口調に、少し疑問が浮かぶ。

さっきのユーノスくんとのやり取り。

てっきり第一婚約者の彼を擁護したものだと思っていたのに…違うのかしら?

「誰か他のお相手を見つけて欲しかったように聞こえますよ?」

咎めるつもりはないので、冗談として流そうとしたのに

「ある意味、そうです」

グレイス王女に認められてしまった。

どう切り返すか言葉に詰まってしまうと、グレイス王女は薄く笑みを浮かべ

「ありがたいことに両親は健在です。私が王位を継ぐのは何十年も先の話で…その頃、彼は幾つなのでしょう?」

「あ…」

「外交や政策など、精力的にこなせる年齢ではないのは明らかです」

それは…確かにそうだわ。

「そんな予測もあってか…私が4歳の頃、ユーノスが生まれて、2人目の婚約者に選ばれました」

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