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プリンス×プリンセス

第73章 駆け引き

自分で肌に張り付いたシャツを絞ってみるけど、大した改善には繋がらない様子で

「あー…ま、仕方ないって」

ははっと笑ってみせるけど、明らかに明るさを欠いている笑顔になっている。

「仕方ないで済めばいいけど」

そう呟いて笑みを浮かべれば、ユーノスは首を傾げて、こめかみに人差し指を当ててみせた。

そんなユーノスの姿に、ティアナ様が不安気に声をかけてきた。

「もしかして…どこかへ向かうつもりでしたの?」

あら?

ティアナ様の声が予想していたものよりもか細くて驚いてしまった。

慌てて表情を整えて、明るい口調で答える。

「ええ。例の…ベビーシッター先へ」

私の答えに、ティアナ様はああ…と呟いた。

そしてユーノスを見る。

彼女のその表情は、申し訳なさよりも悲しそうな色が強いように思える。

…やっぱりね。

ディオチェスター様の読みは当たっているわ。

だとしたら

「仕方ありません。私が付き添います」

「え?」

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