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プリンス×プリンセス

第74章 あなたは誰?

だけど…

「やぁー!」

手を払われて、はずみでぬいぐるみが宙を飛んだ。

「あ…」

呆然として、ぬいぐるみの軌道を目で追いかける。

シルフィはうまくやっていたのに。

僕だと何で駄目なんだ?

ヒヨコのぬいぐるみは、ぼてっと地面に落ち、2回跳ねながら転がった。

そして…

こつん、ぱたり。

そんな音がたちそうな動きで、小さな靴に当たったぬいぐるみが倒れた。

「ぴっぴ?」

その子は呟きながら足元に転がったそれを拾い上げて、こちらを向いた。

ふわふわの綿菓子のような髪は、黒髪なのに陽の光を浴びて赤銅色に艶めいている。

「はい、どうぞ」

両手でぬいぐるみを差し出されて、僕は慌てて女の子の側に駆け寄る。

「あ、ありがとう」

真っ直ぐ僕を見る瞳は、エメラルドのようにキラキラと輝いた。

「だぁれ?おきゃくたん?」

「いや、えっと…」

ティアナ様を待っているだけなので、客とは言い難い。

すると女の子はマキシミリオン様を見て

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