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プリンス×プリンセス

第74章 あなたは誰?

2人はそのまま…裏口があるんだろうな。

喫茶店の入口とは違う所から家の中に入っていった。

パタン、とドアが閉じる音がして…ふうっと息を吐いた。

「可愛い子だったね」

明るい笑顔に、くるくるとよく動く瞳。

生き生きとした、子供らしい子供だ。

「そうね、本当に…」

女の子はもういない。

なのにその影を追うように、シルフィはずっとそちらの方向を見続けている。

「シルフィ?」

こっちを向いたその顔は、何かに思いを馳せているようで…

どうしたんだ?

「女の子もいいなって思ったり?」

冗談で言ったのに。

「そういうんじゃないわよ!」

何で顔を真っ赤にして怒るんだよ!?

全くもう!と怒るシルフィをなだめようとして…

目線の先で、喫茶店の入り口のドアが動いた。

「あ!ティアナ様!」

「う?まぁ?」

キョトンと言葉を発するマキシミリオン様に、シルフィがかがみこんで説明を始める。

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