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プリンス×プリンセス

第75章 Caf'e&Tea-Room・Y

ジュークはそのまま私を見続けて…

大きくため息をつくと、前髪をかきあげるようにして額を押さえた。

困ったときによくしていた仕草。

「やっぱり…ジュークなのですね?」

2度と会えないと思っていた。

もしももう1度会えたなら、私はどうするだろう?

怒る?泣く?

想像していた感情は湧いてこない。

ジュークを見て、私は微笑んでいた。

そんな私を見て、ジュークの方が顔をしかめて…泣いているような表情をしている。

そんな私達に、ルークスは咳払いを1つすると

「ジューク様。ディオチェスター様より伝言です」

その言葉に、ジュークは顔を向ける。

「潮時だ、と」

短い伝言に、ジュークは目を細めて…

「潮時…そうか、そうだな」

そう呟くと、くくっと苦々しく笑いをこぼした。

潮時…。

ディオの言う潮時って、何の事なの?

キサンタンガムの件?

あれから1年経ったから?

それとも…私の知らない、他の事で…?

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