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プリンス×プリンセス

第75章 Caf'e&Tea-Room・Y

話の前に、とジュークはカウンターでお茶の用意を始めた。

ルークスは

「私の事は壁だと思って下さい」

なんて言って、店の角の席を陣取ってしまう。

そして―――

目の前には、ジュークが淹れてくれた紅茶。

そっと口に運べば、懐かしい想い出が蘇る。

香りも味も、あの時のものと変わらない。

あの夜のダージリンティーと……。

自然とカップを持つ手に力が入って、ソーサーに当たり、カタカタと鳴ってしまった。

「あ!ごめん…なさい……」

咄嗟に手を離すと、ジュークがおしぼりを差し出してくれた。

「いえ。火傷はされていませんね?」

「ええ。平気よ」

そういった気遣いも変わらない。

カウンター越しに改めてジュークを見上げた。

「少し…痩せました?」

前よりも頬の辺りが落ち窪んでいる気がする。

ジュークは私の目線から逃げるように、頬から顎までを撫でる。

「訓練をしていないので。筋肉はだいぶ落ちたでしょうね」


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