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プリンス×プリンセス

第75章 Caf'e&Tea-Room・Y

「肌や髪の色も…」

「外での仕事が多いので。焼けたのかもしれません」

そうなのかも知れない。

生活が一変してしまったのだから、外見も変化するのかもしれない。

でも…

「変装をしているのではないの?」

その問いに、何故かルークスが吹き出して笑う。

「ルークス?」

「あ、すみません。…ジューク様が変装をしたら、こんなに分かりやすくはないですよ」

「…お前は『壁』だろう?」

ジュークが眉をひそめて言えば、ルークスは肩をすくめるような素振りを見せる。

あなた達の上司と部下の関係はまだ継続していたのね。

と言うより…

ルークスは、ジュークの生存を知っていたのに違いないわ。

だって、死んだと思っていた人がいきなり目の前に現れたら、動じない訳がない。

信じられなくて、必死に似ていない部分を探して…別人だと安心するものなのに。

私も探したわ。

でも、他人の空似にしては似すぎていた。

「隠すつもりがないなら…昼間、こちらを訪ねた時…他人のふりをしたのは何故?」

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