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プリンス×プリンセス

第75章 Caf'e&Tea-Room・Y

「でも…お店の名前で気付いたの」

Room・Y

続ければRoomy…ルーミーだわ。

「私が付けた名を生かしてくれているのね」

「罪滅ぼしにもなりませんが」

罪滅ぼし。

確かに償いにはならないわ。

小さく頷くと、ジュークは口を歪めた。

「あなたから彼女を引き離した罪は、こんなことで赦されるはずもない」

でも…それで分かったのよ?

あなたはジュークに間違いないって。

そして…

「あなたと一緒に暮らしている女の子」

ジュークの指がビクッと震えた。

その事に気付かないふりをして、話を続ける。

「その子に…会わせてもらえないかしら?」

「今、寝付いた所なので」

「駄目…ですか…?」

亡くなったと思っていた娘が生きていた。

それをジュークも認めている。

会えると思って期待していたのに…

「どうして…?」

「会わない方がいいと思うからです」

絞り出すように、辛そうな声で拒否された。

それはどうしてなの!?

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