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プリンス×プリンセス

第11章 ティアナの思い

そう思っていたのに。

ベッドの中でため息をついた。

どうしてこうなってしまうんだろう?

地方視察で訪れた先で、熱を出して動きがとれなくなってしまった。

明日、会合の予定のあるディオチェスター様は城にお戻りになり…

私は特に予定はないので、この場で休養を取らせてもらっている。

自分の体の虚弱さが恨めしい。

同じ双子なのに、どうしてテリオスみたいに活発に動けないんだろう。

昔からそうだった。

同じことをしているのに、私だけ疲れて動けなくなったり、倒れてしまったり…

こんな事では、公務にも差し支える。

せっかくディオチェスター様のお役にたてると思ったのに…

もう一度ため息をつき、寝返りを打つと、部屋のドアがノックされて

「ティアナ様、よろしいですか?」

ジュークの声がした。

「はい、起きています」

起き上がり返事をすると、ドアが開きジュークが入ってきた。

本来ならディオチェスター様に付いていなければならないのに、私がここにいるせいで彼に足留めをさせてしまった。

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