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プリンス×プリンセス

第11章 ティアナの思い

ベッドで起き上がった私を見て、ジュークは眉を下げると

「無理をなさらず、横になっていて下さい」

そう言って、ベッドの側に近付いてきた。

「御気分はいかがですか?」

親身に振る舞ってくれる。

だけど…ジュークとしてはどう思っているんだろう?

自分の本来の業務とは違う仕事を任されて、本心としては面白くないのでは…?

「ごめんなさい」

自分の考えに押し潰されそうで、思いを口に出した。

「あなたにまで迷惑をかけてしまって…。これでは私、付いてきた意味がないわ」

上掛けのカバーを握り締めて顔を伏せる。

すると、頭の上からジュークの小さな笑い声が聞こえた。

「ティアナ様、お気になさらず」

明るく楽しげな口調に、ジュークを仰ぎ見ると、目を柔らかく細めて微笑んでいた。

こんな優しい表情もするのね…。

いつもディオチェスター様の傍で、きっちりと仕事をしている姿しか見たことがなかった。

普段とのギャップに、胸がどくんと大きく鳴る。

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