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プリンス×プリンセス

第76章 虚言の裏側

それどころか、会いに行きたいっていう姉上の希望を簡単に許して…

夜遅くに女性が出歩くのは危険だ。

だから姉上が俺の服を着て出掛けたのは理解できる。

だからって…俺が姉上のワンピースを着るのは、なんか違う気がする。

「騙してなどいない」

「はぁ?」

顔を少しでも隠したくて、ストールを頭からひっ被ったまま、ディオを睨む。

カツラも化粧もしないで、服だけ着てるのはかなり滑稽で気恥ずかしい。

だからこそ――気持ちの行き場がない分、ディオに当たってしまう。

「お得意の『言わなかっただけ』か?」

昼間もそんな事言ったよな!

「今回は違うぞ!あの時、ジュークが死んだって、そう言ったじゃないか!!」

城の皆にもそう通達を出して。

墓代わりの石碑まで建てたのに…全部嘘だったのかよ!

俺の言葉に、ディオは眉を上げると

「ああ…そんな事か」

ぼそりと呟かれて、こっちこそ目を見開いてしまう。

そんな事って…

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