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プリンス×プリンセス

第77章 1年前の真相

「せめてティアナに似ればよかったものを」

そう呟くと、フッ…と皮肉めいた笑みを浮かべている。

やはり、気付いている。

気付いている…のに…

「何故責めないのですか?」

不義だ。不貞行為だ。

そう詰ってくれたら――

「誰の子供なのか、予想は付いているのでしょう?」

緑色の瞳。

ティアナ様の周辺でその色の瞳の主は…1人しか、いない。

「先程のティアナ様へのお言葉」

ありがとう、と。

愛している、と。

そう告げられて、ティアナ様は嬉しそうに微笑んでいた。

愛している人が自分以外の子供を孕んだとしても、そう思えるのか!?

だとしたら…

「あの言葉は嘘だと言うのか!?」

感情のままに思いをぶつけると、ディオチェスター様は目を見開き…

すぐに目を細めると、口元をわずかに歪めた。

「久々に声を荒らげる姿を見た」

ボソリと呟いて、何かを思い出すように額を押さえると、俺を窺い見て

「それは、出会った女性の中では1番だと言った話か?」

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