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プリンス×プリンセス

第77章 1年前の真相

「…そうです」

頭の中で、先程の光景が浮かび上がった。

ティアナ様の手をとって、唇を押し付けて語った、あの思いは…

「嘘ではない」

迷いのない声に、息を飲んだ。

ディオチェスター様を改めて見て…そして思う。

ああ、成る程。

「女性の中では、ですか」

「ああ」

確かに、嘘ではない。

けれど、人の中では…1番は他の人なのですね。

ため息をつくと、ディオチェスター様は意外そうに眉を上げて聞いた。

「妬いているのか?」

…何故そうなるのか。

「まさか。そのような立場にはおりません」

感情を殺して淡々と告げると、ディオチェスター様は肩をすくめて

「まぁ、いい」

そして、俺の腕の中の赤ん坊に目を落とした。

「取り敢えず、この子は片付けないとな」

片付ける?

ドキッと鼓動が跳ねた。

「子供を…殺すのですか?」

このままでは皆に広まってしまう。

それは理解できる。

けれどその為に『片付ける』なんて!

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