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プリンス×プリンセス

第77章 1年前の真相

抱き上げてから、まだ数分しか経っていない。

なのに、その命の重みは計り知れないほどのものだと実感して…

もし、『殺せ』と言われたら…?

その思いが、末恐ろしくもある。

自然と顔を強張らせると、そんな俺を見て

「殺す?お前の子を、か?」

ディオチェスター様は鼻先で嘲笑した。

……良かった。

最悪の事態は免れそうだ。

ほっと息を付く俺に、いつも通りの口調で

「何処に匿うか、だな。さもなければティアナの居場所が無くなる」

口に拳を当てて思案するディオチェスター様に、申し訳なさが募る。

生まれた赤子が、ディオチェスター様の子供ではなかった。

当然、ティアナ様は不貞行為で罰せられる。

きっと皇太子妃の地位も剥奪されるだろう。

「そうですね。事実が広まれば、ティアナ様は国外追放されて、エストラーザへ戻されるでしょう」

「だろうな」

あんなに幸せそうに微笑んでいたのに。

その原因は自分だ。

それは間違いではないのに…

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