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プリンス×プリンセス

第77章 1年前の真相

だが。

その原因の引き金を引いたのは、ディオチェスター様、あなただ。

なのに、どこか冷めたような、傍観者のようなその態度に苛立ちが湧き

「…その場合、テリオス様も同様にお帰りになってしまいますからね」

ささくれだった気持ちのまま、嫌味を込めて忠告すれば

「…当然だな」

分かっているとばかりに返された。

これは…どういう事なんだろう?

テリオス様が関われば、もう少し感情の起伏が見れるかと思ったのに。

目を閉じ、ため息をつく。

全く…予想外の事ばかり起こる。

そんな予定外の中でも、正しい方向へ舵を切るにはどうしたらいい?

思い浮かべるのは、最悪な状況。

それを回避するには……

「分かりました」

目を開け、ディオチェスター様を見つめる。

「でしたら、姫君様を連れ出す役目、私にお任せ下さいますか?」

その問いに、ディオチェスター様は驚きの表情を浮かべ…

すぐに顔を曇らせた。

「お前が?」


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