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プリンス×プリンセス

第77章 1年前の真相

俺でなければ、誰にこの子を託すつもりなんだろう?

そんな疑問を、微笑みで押し込める。

「ええ。姫君様がいなくても、私がここにいる限り、キサンタンガムから横槍は入るでしょう」

あの国王の狙いは、フェールロコノの実権を裏から握ること。

その為に、ディオチェスター様の後継者を根絶やしにして…

いずれは、ディオチェスター様自身を亡き者にする。

そうすれば、今の国王の血を継ぐものは俺しかいない。

俺を次期国王に推し上げて、自分は裏から俺を操る。

そんな野望を語っていたが…

どうせなら、奴らと心中してやるか。

そんな目論見に頬を歪ませて

「あなた方とこの国と…子供を守らせて下さい」

そう告げたら、ディオチェスター様が手を伸ばし…

え?

俺の肩に触れた途端、引き寄せられた。

完全に不意をつかれた形で、赤ん坊を腕に抱いたまま、ディオチェスター様に肩を抱かれる。

プラチナブロンドの髪が頬をくすぐり、それでこれが現実だと自覚出来た。

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