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プリンス×プリンセス

第77章 1年前の真相

詫び。

それは、この前のシエンタ様が絡んだ騒動の事だろうか。

「分かりました。頭に入れておきます」

だからと言って、無関係な王女を頼るのはどうなのだろう?

最悪の事態に頼るようにして、なるべくなら自分だけの力で対処したい。

母が俺を連れて逃げたように……

心に靄がかかる。

歴史は繰り返されるのか。

いや、歴史ではない。

俺の人生の話だ。

歴史に比べたら、ほんのちっぽけな……

「…そろそろオルティアが戻ってくるでしょう。ディオチェスター様はお戻り下さい」

心が押し潰される前に、1人になりたかった。

それを悟られないよう平然と告げれば、ディオチェスター様は「分かった」と部屋を後にして…

扉を前に、振り返って俺を見た。

「俺は、お前がこの国に来て悔やんだ事などないぞ」

まっすぐに俺を見る瞳は、迷いのない強い眼差しだった。

澄みきった青空のように綺麗で…

「……ありがとうございます」

その色がずっと羨ましかった。

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