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プリンス×プリンセス

第78章 柔らかな温もり

驚いているの?

ジュークの反応が意外で、こっちこそどう反応したらいいのか迷って…

「ありがとう」

一番伝えたい言葉を口にした。

「感謝など…する必要はないです」

苦渋の表情を見せるジュークに、首を横に振る。

何も知らなかった時は、あなたを恨んだりしたわ。

何故、と問いただす事ばかりだった。

だけど、その全てがルーミーの為の行動だと知った。

「あなたがルーミーを大切にしてくれているのは分かっているわ」

だからこそ…会いたい。

その気持ちは、どうしても抑えられない。

「今でなくてもいいの。例えば昼間に、ここの客として姿を見る…それなら」

母親として会えなくてもいい。

顔が見たいだけなの。

かなり妥協した願いのつもりだった。

だからジュークも根負けしてくれるって思っていた…のに

「お気持ちは理解できますが」

感情を押し込めた顔で、冷たい返事をされた。

「…駄目…かしら」

確認の為にもう一度聞く。

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