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プリンス×プリンセス

第78章 柔らかな温もり

小さくて柔らかな手をゆるく握れば

「うー………」

ルーミーのうめき声がして、咄嗟に握る手を緩める。

その途端、ルーミーが強い力で握り返してきた。

「あ…」

反射的に…なのか、離したくない執着なのか。

私の親指を握り締める力は、予想よりも強い。

「…っ!おとうたん!やぁっ!!」

ルーミーはそう叫ぶと、ジュークの脇をすり抜けて私の目の前に現れた。

涙目で私を見上げ…

タックルするのかと思うほどの勢いで、私にしがみついてきた。

「うっ…!」

勢いが良すぎて、下腹部に頭突きされて、思わず声がもれた。

そんな私の様子に気付く訳もなく、ルーミーはぐりぐりと頭を擦り付けて、イヤイヤを繰り返している。

「ルーテシア!いい加減に…」

声を荒らげるジュークを手で制し

「大丈夫よ。ここにいるわ」

泣かないで。

ルーミーへの思いを込めて、柔らかい口調で話せば

「まま…?」

少し落ち着いたのか、しがみつく力が緩んだように感じた。

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