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蒼い月の下で

第2章 歌姫

ーーこの淡く儚い揺らめく想いは、今はまだ、陽炎のように掴めない。


蒼い月が煌々と水面を照らす。ミラも、少年と同じ言葉を繰り返す。


「……綺麗ですね」


そうして、どれくらい月を眺めていただろう。お互い口数がそんなに多い方ではないらしく、沈黙は続いたが、不思議と嫌じゃない。

ふとあることに気づく。ーー花の香りが、薄れてきてる……?


それを表すかのように、少年も、透き通ってきている。もう、消えてしまう……?ミラの想いが届いたのか、たまたまなのかーー。



「また、逢おう。“ミラ”」



どうして名前をーー……



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