テキストサイズ

雨が夕日に変わるとき

第1章 雨が夕日に変わるとき

[今日、会えませんか?]

[今、仕事終わったばっかりだから会えるよ。いつもの駅で待ってて]

[分かりました]

 ぽつりと雨が降ってきた。天気予報では晴れのち曇りだったはずだ。私は慌てて、ピンクの折りたたみ傘を取り出して差す。傘の上で水が跳ねて音が聞こえる。リズムは最悪でまるで私の数学の答案用紙みたいに出来損ないだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ