どっちもぼっち。
第1章 みかん色に染まりたい柚と染まるきのないライム
「わたしの勝手じゃん、そんなの」
「出るそんなのは打たれンの。堂々と『コンバンワぼっちデース』って看板掲げられてると、必死に自分誤魔化してるひとの目に毒なの」
「ごまかして何になるの、そんなの」
「そんなのが周囲から浮かなくなンの。そのために色々努力してンの。自分だけえらっそうに悪目立ちしてんじゃねえよ、ばあか」
語気を荒らげる、みかん色の絵の具を表面に塗ったくることで腐ったふりをする柚。
「はあ。目立ちたくないなら堂々と友達作ったら」
意図も簡単に言って退ける、端っから腐ったみかんになど染まるつもりのないライム。
「……」
「ううう、うるさいなあ……お前ごときに言われなくたって明日にでも、ともだちひゃくにん作って――」
ガラガラガラ。
「WAWAWA忘れ物~♪」