どっちもぼっち。
第2章 部屋の角においやられる埃と、進んで角にむかう塵
「ねー月9見たー?」「今日の体育だりー!」「彼女欲しー!」「二年の長谷川先輩イケメンだよね」
……。
うん。いや別に、クラスメートたちの談笑の輪に入れてないとかそういう訳じゃないんだよ。
うん。いや別に、入れていないことを誤魔化すために自習してるフリしてるとかそんなわけないでしょ。
だってこの俺、教科書だいすき・赤本 優は『これはペンですか?』『いいえそれは犬です。』マイクとナンシーの交わす陳腐な会話劇ですら、蛍光ペンで塗り潰し――