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どっちもぼっち。

第1章 みかん色に染まりたい柚と染まるきのないライム

 


「あ、あの」


 やっとこさ出た、ぎこちない俺のぎこちない呼びかけ。


「ん」


 座って帰り支度をしていた彼女は、自席の前に立つ俺をほとんど目だけで見上げてそれに応じた。



 言うぞ……伝えるぞ……とうとう打ち明けるぞ。


 思いは確信に変わり……決心に変わったんだ。



「ずっ」


「ずっと、前から」



 意を決すると勇気を振り絞り、俺は――…


 

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