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どっちもぼっち。

第1章 みかん色に染まりたい柚と染まるきのないライム

 


「仕方がない」


「なにくんと聞かれたら、答えてあげるが世の情け」


「君と同じクラスに暮らすクラスメートのひとり、赤原 優君だよ? ミミズクさん」



 ことさらクラスを強調しての自己紹介だった。面と向かってヒントも与えて自己紹介までして思い出せないなら、内科に行かないか。



「せ、く、はら君――」


「“あかはら ゆう”君って言うんだよ? 耳詰まりさん」



 連れて行くべきは耳鼻科のようだった。


 

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