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恋色~SS~

第6章 やきもち

七桜は書類を書き終え、椅子に座りながら伸びをする。


七桜「一通り終わったー。」


――コンコン


女の子が入ってくる。


山田「失礼します。会長‥は、居ないんですね。書類、集めて来たんだけど…星宮君、どこに置けばいいかな?」


書類を抱えて星宮に近づいてくる。


七桜「ありがとう山田。そこの机に置いて。」


山田「うん、ここだね。‥じゃあ、私はこれで。星宮君、無理しないで‥きゃっ…。」


バランスを崩した山田を星宮が抱きかかえるように支えた。


七桜「山田、大丈夫か?怪我しなかった?」


山田「うん、大丈夫だよ。星宮君ありがとう…。」


すると突然、生徒会室のドアが開く。


織姫「七桜君、お疲れ様。今日だけど…。あっ、ごめんなさい。」


七桜「会長。これは…。」


織姫「‥お邪魔だったね…。私、今日は急な家の用事ができたって伝えに来ただけだから。‥帰るね。」


七桜「あ、会長!!」


ドアが閉められる。


山田が七桜から急いで離れる。


山田「星宮君、ごめんね。私のせいで会長に勘違いされちゃったかも…。」


七桜「いや、山田は悪くない。ただタイミングが悪かっただけだ。ほら、仕事終わったんだろ。」


七桜は椅子から立ち上がる。


山田「でも、私‥会長に謝らないと…。」


七桜「いいから!!‥大きな声出してゴメン。山田も妹たちの面倒見ないとだろ。今日は此処閉めるから早く帰れよな。」


山田の背中をグイッと前に押し、七桜も生徒会室から出る。


山田「あ、うん。何かゴメンね。今度私からも会長にも謝るから。‥じゃあまたね。」


七桜は鍵をかける。


七桜「ああ、またな。」


そういうと、七桜は三年の教室に向かった。


先輩がいるはずの教室の扉を開いた。


七桜「和泉先輩!!」


そこには誰も居なかった。


七桜(居ない。先輩は、教室を出た後なのか…。だったら…。)


七桜はすぐに来た方とは逆に駆け出した。


織姫の後ろ姿が遠くに見える。


七桜は大声で名前を呼んでいた。


七桜「和泉先輩!!」

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