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恋色~SS~

第7章 運命の彼女

智也「‥っと、大丈夫か?」


校内の廊下、曲がり角で突然女の子にぶつかられた。


???「すみません、急いでたので。怪我しませんでしたか?‥あ。」


智也「してない。あんたは?」


ぶつかってきたのは親友の妹、知名結花(ちなゆいか)。


結花「私も大丈夫です。あの!‥先輩、その、助けて下さい!!」


智也「え?ああ…。」


結花「ありがとうございます。」


智也の後ろへと結花が隠れる。


数秒後、バタバタと足音をたて、男がひょっこりと現れた。


男「結花ちゅわぁん、どーこぉ?‥あ、桐生先輩こんにちは。‥結花ちゃん、知りま‥って、結花ちゃん!!」


ビクッと反応した結花が智也のYシャツを握る。


智也のYシャツを握り締めている結花の手から、震えているのが伝わる。


男「ゆーいかちゃん、どうして隠れるの?逃げるなんてヒドくない?」


結花「わ、私にしつこく付きまとってくるのヤメて下さいっ。」


男「どうして?結花ちゃんと僕は付き合ってるのに。休み時間に会わないと不自然でしょ。ほら、そんなとこ隠れてないで出てきてよ。ね、行こう…。」


男は結花に手を差し伸べた。


智也は自分の後ろに隠れている結花を見る。


すると、結花は首を横に振る。


智也「あまりしつこいと嫌われるぞ。」


男「先輩にも話してあげます。僕達は出会った瞬間から運命だったんです。互いに目が合い、話だってしました。」


智也「‥で?」


男「き、きき、キスはその‥まだですけど、いずれは特別なシチュエーションでしたいなーっと…。だから、結花ちゃんを僕に返して下さい!!」


智也「ったく、運命?はっ、さっきからお前ゴチャゴチャと話長いし、うるさい奴。‥ちょっといいか?」


智也は後ろに声をかけ、Yシャツを握っていた手を取り、引き寄せた。


智也は自分の正面に結花を移動させた。


そして、空いていた方の手で結花の顎を上に向け、少し屈むとそのピンク色の可愛い唇にキスを一つ落とした。

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