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恋色~SS~

第8章 ☆繋がり合う

私の名前は秋風しずく。


今はお昼休みで、一限目終了時に担任の先生に手伝いがあると言われたので、校内のとある準備室に向かっている途中です。


私をお手伝いに指名した先生は、この学校ではとても人気があり、カッコいいのでとてもモテるらしいです。



もちろん私も好きなほうですよ。


でも先生は一人が好きらしく、授業以外は準備室に居るようです。


ちなみに準備室がある校舎は去年、その先生を見る為だけに来る生徒の多さで騒がしかったらしく、夏休み明けから用事のある時以外は出入り禁止になったと、お兄様の幼なじみの女の子から聞きました。


しかし、校内が広くて困ります。




――コンコン。


準備室の扉をノックする。


しずく「一七夜月(かのう)先生?‥秋風です。お手伝いに来ました。」


すると、扉が開き先生が声をかける。


龍真「どうぞ、中に入って。」


しずく「はい、失礼します。」


準備室に入ると廊下へ顔を出し、左右確認した先生が扉を閉め、しずくに分かるよう音をたて鍵を掛けた。


音に気づき振り向く。


しずく「!?先生!?‥どうして鍵を…。」


先生が近づくと同時に一歩下がったが、開いていた窓から吹き込む風で、サラサラと靡くしずくの髪を延ばした手が捕らえた。


龍真「秋風は俺と2人きりになりたくて此処に来たんじゃないの?」


しずく「そ、そんなこと有りません。先生がお手伝いがあるからって、わざわざお姉ちゃんにも断って来たんです。用がないのでしたら教室に戻ります。」


龍真「ああ、そうだった。手伝いがあるのは本当だよ。流石に独りじゃ大変だったんだ。鍵をかけたのはまだ秘密にしておきたいからだよ。」


先生はそういうと穏やかに微笑んだ。


その笑みを見て、私は嫌な予感がした。


しずく「‥先生?」


先生に腕を掴まれ側に引き寄せられると、逃げられないよう私の腰に手が回る。


親指と人差し指で私の顎を持ち上げ、無理やりキスをされた。


しずく「!?んんっ‥。やっ…。」

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