アイツまで徒歩5分
第5章 車は、急には止まれない!
――――――――…
「チーフ、ゴチになりました」
居酒屋を出て駅まで二人で歩く―――――…
夜の賑やかな明かりに不釣り合いな綺麗な髪が…
夜の妖しい風になびく…
「さてと、俺は奥さんと子供が待ってるので帰るけど…陣ヶ岡は、飲み足りないって顔してるなぁ〜?」
綾瀬チーフは、定期を見せるとクルリと裏の家族の写真を俺に見せる
女顔で長髪だからといって…
綾瀬チーフは、男色趣味ではない…
この人は、奥さんと子供を愛する家庭人だ――――…
「お嬢さん大きくなりましたね?流石に双子は手がかかりますか?」
しかも、双子娘の父親だ
「そうだね、大変!!
ハニーだけじゃぁ…身がもたないよね?」
綾瀬チーフは、優しい目で写真を見つめる―――――…
愛しているのが…伝わってくる
「どんな形であれ―――…
陣ヶ岡、だって幸せになれるよ…」
「///―――…はい」