アイツまで徒歩5分
第5章 車は、急には止まれない!
――――――――――…
さ…最悪だ……
何で…こんな事に……
しかも…キスマーク…一関が付けたと思ってる―――…
「――…訳わかんないっす…」
陣ヶ岡さんは…罰の悪そうな顔して……
俺の首筋見てるし……
あの日の…トイレでの出来事を…覚えていたのは俺だけで――――――…
陣ヶ岡さんは…覚えてない…
陣ヶ岡さんには…普通の事だったのかよ―――――…
「降ります―――――…停めてください」
「え、は…はい!」
運転手は素直にタクシーを道端で停めた――――――…
こんな異色の辺鄙な客…早く降ろすに限る
「え、最知!」
俺は、タクシーから降りて走った!!