アイツまで徒歩5分
第5章 車は、急には止まれない!
「…陣ヶ岡さんにとって…男にキスマーク付けるなんて…当たり前の挨拶みたいなもんなんでしょうが、俺は…始めてで―――――…色々…ぐるぐるしたんです!!
さっきも……陣ヶ岡さん…チーフと――――――…」
あ〜…言っちゃった…
俺の中でまだ解決も整理もされてない事なのに…
当事者に…言うなんて…
「――――…チーフ…と?」
う゛…ムカ…つく
「ど…どうせチーフとも///エッ…エッチな事してるんですよね!!
あんなに綺麗ですからね!!――――――…俺なんか…からかわなくても…相手なら沢山いるじゃないですか!
もう……ドキドキしたり、ウジウジしたりするの……嫌です」
怒っていたはずなのに……
陣ヶ岡さんに思いの丈をぶつけたら…
涙が自然に出てきた―――…
「え…最知?お前…チーフと俺をそんな風に見てたのか?」
「だって――――…ぅっう…
二人とも楽しそうに店から出てきたし……絵になったし…」
涙をこらえながらバカみたいだ…俺―――――――…
「会社で……俺がゲイだって知ってるのは…最知…お前だけだ――――――…
チーフとは、そんな関係じゃない…」