アイツまで徒歩5分
第5章 車は、急には止まれない!
「お前――――…昔の俺みたいだな…」
あの頃の…俺に似ている…
我慢して――――…隠して…
「あんたと一緒にするな…」
「我慢してると……辛いの自分だけだぞ…」
男は最知をギュッと抱き締める……
だが…すでに意識の無い最知からは何の反応もない…
「我慢はよくないが――――…
最知の事は我慢してくれると助かる…
俺…そいつに惚れてんだ…」
ビクッと…驚きながらも…
動じないその男は……
ゆっくり深呼吸をして俺を真っ直ぐ見返す――――…
「…なら…俺、我慢するのやめます―――…
結羽を…何年…好きだと思ってるんですか――――…」
やっぱり――――…
あの時…最知を優しく抱き締めていたいたから……
そんな予感はしていた……
「――――…それに…貴方には渡したくないです…
あんな風に…結羽を泣かせる人には絶対…」
勘違いして…俺の事で涙を流した最知を…
一週まわって…喜んじまう俺は――――…
こいつの敵ってわけか―――…
「俺は、結羽を泣かせない」
そう言うと…デキスギ君みたいな男は最知を連れて部屋に消えた―――――――…