アイツまで徒歩5分
第1章 新たな門出に落とし穴!
俺が連れて来られたのは…
あの忌まわしい…倉庫兼資料室…
「じ…陣ヶ岡さん?」
陣ヶ岡さんは、俺が警戒しているのも気にせず…
資料をどんどん脇にあるテーブルに広げる…
「この前…チーフが散らかしたのを…整理したばっかりなのに…」
俺は、資料を広げる陣ヶ岡さんに呆れていた…
「おい、最知……このモデルルームを見ろ…」
広げられた資料から、一つ…陣ヶ岡さんが俺にファイルを見せてきた…
「これは―――…?」
「俺の作品の一つだ!超カッコいいだろ?」
「何ですか…自慢ですか?」
俺は、ケッと思いながらファイルの中の綺麗に着飾ったモデルルームを見ていた…
「このモデルルーム…
空き家や空き部屋をターゲットとした作りになってんだよ…
どんなサイズでも!どんな間取りでも…この様にして見せます!ってのが売りだったんだ…」
俺は、パラパラと興味なく開いていたファイルを…
見直す…
そこには、空き家を生き返らせる手法がいくつも書かれてあり、それを使ってもう一度…空き家に命を吹き込む――――…と言うものだった!!