アイツまで徒歩5分
第9章 どちらかと言えば……?
「―――ぉ ぃ
おい!最知?聞いてるか?」
「はっ、はい?」
あ///声、裏返った!
「大丈夫か?目がぐるんぐるんしてたぞ?」
え?どんな状態だよ、それ!
危ない、危ない…気を抜くと…すぐ、“好き”の事を考えてしまう!!
疑問だらけで!毎回のたうち回るのに……
「しっかりしろ…常務の娘さんと会うんだろ?
今日から内装の打ち合わせに入るけど…まずは、相手の話を聞かないと―――…」
「///あ、はぃ!…スミマセン」
陣ヶ岡さんは…相変わらずで…
俺に対する接し方は、変わらない…
“好きだよ…愛してる”と何度も告げた相手が隣にいるのに……
どんだけ心臓が強いんだ!
ん?それか……口に出したほど…好きでは、無いとか?
「〜〜〜〜〜〜〜〜…」
ダメだ!!考えてしまう!!
仕事だ、仕事〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
常務の娘さんの希望で、打ち合わせ場所をホテルのロビーラウンジになったが……
荷物多目の俺には少し、居心地が悪い…