アイツまで徒歩5分
第9章 どちらかと言えば……?
しかし…
そよ子さん―――――…彼女には驚いた…
「じゃぁ後は、若い二人に――…」
と、マックス無茶ぶりを部下と娘にかました常務は、上機嫌でレストランを出ていった訳だが―――――…
「――――クソじじいが…余計な事して…」
「―――――え?ぇ〜〜?」
自分の父親を“クソじじい”呼ばわりしたのだ……
夜景の綺麗に見えるレストランの特等席で…
エレガントな装いの…彼女が言う訳のないセリフ……
“クソじじい”と、そよ子さんの容姿が…合致しない…
「――――そよ子さん?」
「あら!やだ、私ったら…」
声をかけると…わざとらしく口元を手で隠した…
「オチャメな本性ですね…」
そよ子さんは、笑いながら小さいカバンからタバコを取り出した…
「騙すのは得意なんですけど…
余りにも…父の無茶苦茶なやり方に腹が立ってしまい――――――…素がでてしまいました…」