アイツまで徒歩5分
第9章 どちらかと言えば……?
そよ子さんは、タバコに火を点けると…
慣れた様子で煙を吸い込んだ…
「ごめんなさいね?
父には、この姿見せてなくて…タバコなんて吸ってるのみたら倒れかねませんから…」
俺は、いえいえ…と…彼女の本性に出会えて嬉しくなっていた――――――…
「陣ヶ岡さんは――――…私に、何か違和感があったのでしょ?昼間に会ったときから…」
ふーっと…吐き出す煙は…
煙や匂いが少ない超ライトなタイプ…
隠している彼女にピッタリな嗜好品である――――…
「えぇ…少しだけ…
でも――…違和感程度でしたから…何とも…」
「それと――――…付き合うとか…あり得ないから安心してください…
私、スーツの男性アウトですから…」
俺は、彼女のブレスレットを見つめ……だろうなぁと…思っていた…
「…可愛いブレスレットですけど…合間にシルバーのスカルモチーフを挟んでますしね…
多分、趣味は会いませんね…俺たちは…」
そよ子さんは、笑って……ブレスレットにキスをした…
「うっかり――…ヘビメタ好きだったり…
普段着は、革ジャンだったりライダース風スタイルだったりはしませんよね?」
俺は、やっぱり―――…
と、彼女の質問に「クラシック好きって事にしときます」と、笑った…