アイツまで徒歩5分
第10章 素直になるのが一番難しい
「―――――…どうした?最知…顔が“ムムム〜”ってなってるぞ?」
中森さんの所を出てしばらく歩いていると…
陣ヶ岡さんが俺の顔を覗きこむ…
「///なっ…そんな…顔してませんよ!!」
「ヤキモチですか?少年?」
「///するかっ!!」
多分…ヤキモチ…
でも――――…男を好きになったことなんかないから…
これが…
恋愛のヤキモチなのかは…
俺には解らない……
「〜っと、後は社に戻るだけだから……どっかでお茶でもするか?
書類にもう一度目を通しておきたいし」
陣ヶ岡さんは、俺をなだめるように笑うと…
近くのカフェを指した…
「…はい…」
「―――――――…結羽…」
俺の視線は陣ヶ岡さん越しに…カフェを見ていたが…
陣ヶ岡さんの視線は……
俺の後ろに向かっていた―――…
「――――…一関…」
陣ヶ岡さんが呼ぶ…声に…
俺は、恐る恐る――――…
後ろを振り向いた―…