アイツまで徒歩5分
第12章 夜を追いかけ朝になる
「はぁ〜〜〜〜〜…空気が…少し冷たい…気持ちいいです」
窓を開けた最知が大きく深呼吸する…
風になびく最知の髪が…俺の中に燻っていた過去の告白を…浄化していくようだ…
「ふっ―――…それは…都合がいいか…」
「ん?陣ヶ岡さん?」
俺は、何でもないと……
最知の隣で風を感じながら笑った…
「―――――――で、陣ヶ岡さん!温泉に行かないと!!」
最知は、窓を閉めると切り替え早く…温泉を要求してきた…
「あ〜〜〜〜…寝室の隣じゃないか?」
最知は、浴衣やタオルを物色しながら俺の顔をジーっと見ている…
「―――…どうした?最知」
「―――――…へ…部屋風呂じゃないですよ…
お・ん・せ・ん・ですよ?大浴場はここにはないでしょ?露天風呂とか!?」
「――――…ここの旅館は…全ての部屋に温泉と露天風呂が完備されていて…大浴場ってやつは無いぞ?」