アイツまで徒歩5分
第3章 火の無い所に煙は立たない
しかし…仕事の話をする二人の姿は…
淀みのない…カッコいいビジネスパートナーそのもの…
中森さんは、陣ヶ岡さんの意見に耳を傾け、自分の意見もストレートにぶつけていく…
二人の打ち合わせは、俺の今までに見てきた打ち合わせのとは、テンポも内容も違うものだった!
“あうんの呼吸”ってやつを目の前で見ている俺は…
少しだけ…
寂しさを感じ始めていた…
「最知、ここはどう思う?
キッチンの棚…背伸びはきついよな?」
「はっ!はい!?」
俺は、不意にフラれて体が硬直する!!
「あ―――…はい…
ここの棚は…踏み台があると……便利…
いや、踏み台が邪魔に…
なら、棚を低く…だと…視界が不快に……えっと…え〜」
「最知、深呼吸しろ…」
陣ヶ岡さんの手が…俺の背中にポンと軽く触れる…
緊張が…ふ〜っと消えていくのが解る…
「///す…すみません」
俺は、深呼吸してから…自分の意見を上手に纏めて話す事ができた!!