アイツまで徒歩5分
第3章 火の無い所に煙は立たない
打ち合わせは、キッチンの間取りをもう一度見直し…
もう一度最初から案を練ることに決まった!
陣ヶ岡さんが、デザインの更新日を長く取っていた理由が今になって理解できた…
中森さんとだと、最初のデザインが白紙になると踏んでいたんだ……
「…中森と仕事するのは、楽しんだけど…どっちも譲らないから、仕事が進まね〜んだよなぁ…」
「和磨と長く仕事したいし…
和磨の作品は、完璧じゃないと、俺が気持ち悪いんだよ…」
見つめあい笑う姿は……
仕事の顔はしていなかった…
「それに…新人君には…負けられないし!」
「はぁ―――…?」
俺は、バタバタと打ち合わせの資料を鞄に入れていて…
中森さんの話を聞き流してしまった…