アイツまで徒歩5分
第14章 【最終章】思いでは美化され腐りきる
「で―――…この前…相手を実家に呼んで紹介したんだけど――――――…公一だけ…居なくて―――…」
橋場さんは、家族全員に紹介したかったらしいが…
公一君の不在で…両親だけにまず紹介したらしい…
結婚の話は順調に進む中…
公一君とだけは…上手く会話や気持ちを聞けないでいるらしい…
高3の公一君は今年は大学受験も控えているから…あまり刺激したくはないと言うが…
顔に出ない感情が…逆に橋場さんを不安にさせるらしい…
「公一は…父と後妻との間に出来た子で―――――…
10も歳が離れてるから……兄弟って感じがないのは確かだけど…
結婚したら…同居する事にした訳だし―――――…
一つ屋根の下で暮らす家族は…なんでも言い合える仲になりたいんだよ…俺は――――――…」
いつも明るい橋場さんの…大きなため息は…
なんとも切実な…感じがした…
「///兄貴らしい事してこなかった罰だよな……」
橋場さんは、時計を見ると…
ヤバイっと呟き――――…ベンチを立った!